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息もできない

第16章 俺に矛先を向けるな(サイドストーリー)

「んーーっ!!!」


何で俺とお前がキスしてんだよ!?


バーテンダーも俺が誘った子も店内の全員が俺たちに注目している


「ーーっくそ!離せよ!!!」


俺が力一杯朗を振り切ると奴はその美形をフル活用して微笑んだ


「皆さんすみません。彼寂しがりやですぐ浮気するんでお仕置きしたんです。ーー君も、ごめんね」


おい待て
俺がいつお前の「彼」になったんだよ!?
てかキャラが違いすぎる!!!


王子様か何かの台詞のように紡がれたその言葉はその場にいた全員の心を奪ったようで皆が俺を抱き締める男に見惚れていた

だが俺の前でまでその王子様は続かないらしく耳元で


「余計なことしたらこの場でケツ掘るぞ」


と囁き脅され
こいつならやりかねん、と俺は抵抗も出来ず真っ青になってされるがままの状態だった


暫く俺を本当の恋人のように抱きしめたり撫でたり好き勝手した挙句


「そろそろ行こうか。では、失礼します」


と言ってカウンターに万札を置いてから俺の手を引いて店を出た


もう呆然とするしかないぐらい突拍子もない出来事が目の前で起きて

俺は人が少なくなってきた辺りでようやく引かれていた手を振り払った

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