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息もできない

第16章 俺に矛先を向けるな(サイドストーリー)

次の日

俺が目を覚ますと朗は既に起きていた
というか髪もぼさぼさとかではないし

なんか、こう
準備は完璧って感じ


ぼんやりしながら眺めていると


「おぉ、起きたか」


と声を掛けられた
俺は身体を起こしながら


「…はい」


と一言だけ


気まずいんだよ!
どうやって接すればいいかまだわかんねぇし
なんかこう胸のあたりがもやもやするっつーか!


頭を掻き毟りたい衝動をなんとか堪えつつ何もないように装っていると

暫く流れた沈黙を破った朗の言葉に俺は愕然とした


「じゃ、俺行くわ。金ここに置いとくから。またな!」
「ーーは?」


朗はひらりと手を振ってそれ以降振り返りもせず部屋を後にした


「………え?」


嘘だろ
いや別に仲良くラブホを出ようとかそんなこと考えていたわけじゃないんだが
それにしても昨日ヤった相手にあの態度


ヤった相手の名前も覚えてない時がある最低な俺がこんなこと言う権利ないんだけど

でもなんでか、妙に寂しさを感じた

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