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息もできない

第16章 俺に矛先を向けるな(サイドストーリー)

朗目線


「んーー…」

朝起きたら、俺はしっかり服を着ていて髪からはシャンプーの香りがした


まさかあいつ、俺の身体洗ったのか…?


別に、ナカのもの出してくれれば
最悪出さなくても気持ち悪くなるだけでそこまでじゃないからそんなことしなくていいのに


あいつ、は……横に寝てやがらねぇ


そこまで俺の面倒を焼いてくれた一夜を共にした相手は俺の横ではなく何故かソファに縮こまって寝ている
如何にも寝苦しそうなのに対し俺は広いベッドをたった一人で独占するように寝ていた


なんか俺が悪者みたいだ


と思うと同時に横で寝ていなかった圭太に少し腹が立った自分に気づく

朝起きた時のイチャイチャを楽しみたいとか、そんなことない!!と一人で起き上がって身支度を始めた

といっても荷物は別に何か出したわけでもないからそのままでいいし、髪を整えるぐらいしかやることなんてなかった


移動する度目に入る圭太の寝顔をたまに立ち止まったりして眺めてはっとなってうろうろ動いて

結局必要もないベッドメイキングをして何してんだって馬鹿馬鹿しくなってリビングに戻ったら
圭太が目を開けていた

俺は動揺しつつも


「おぉ、起きたか」


と声をかけたが「はい」とだけ返ってきた返事から続く沈黙に耐えきれなくて


「じゃ、俺行くわ。金ここに置いとくから。またな!」


財布から何枚か抜き取ったのを置いて俺はそそくさと部屋を出た




あぁくそ
この感情になんて名前をつければいい?



続く(次章より本編に戻ります)

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