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息もできない

第17章 会社に行くのです

カフェが見えたぐらいで春陽に『着いたよ』とメールすると俺が裏口に辿り着いたのとほぼ同時ぐらいに扉が開いて春陽が出てきた


う、わ…


一般的に言えばただの惚気なんだけど、思わずにはいられない

仕事してる春陽は白いワイシャツに黒いスラックスそこに同じ黒いカフェエプロンを着てて

広い肩幅とか、腕まくりして肘ぐらいから見える筋肉質な腕とか、ワイシャツの第二ボタンまで見える胸元とかなんかすごく、エロいっていうかセクシーっていうか

とにかく



だ、抱きつきたい……!!!!
ぎゅーってして欲しい!


でもここは外だからそんなことしてもらえないし


「〜〜〜っ」


俺が春陽の厚い胸板を見つめていると春陽がくすりと笑った


「春陽?なに?」
「いや、正直だなーって思ってさ」
「え!?」


ばれてるの…!?
いや、そんなことはないはず!


俺は平静を装いながら

「何のこと?」


と誤魔化した
そしたら春陽はすっ、と顔を俺の耳元に寄せてきた


「帰ったら…たくさん抱き締めてあげるから、いい子で待ってて?」
「!!!!」


チャリンと音を立てて目の前に差し出されたのは春陽がいつも使ってるキーケース
そこに入ってるのはもちろん春陽の家の鍵なわけで


「ぃ、いいの!?勝手に入ってて」


春陽は俺から離れてにっこりと笑った

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