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息もできない

第17章 会社に行くのです

「いいよ」

俺は嬉しくて嬉しくて受け取った鍵を眺める


だって!
自分の家に入ってていいなんてそこまで心を許してるってことでしょう?


あんまりにも俺が鍵を眺めているから面白くなったのか春陽は少し笑った
そして身体が触れるほど近くに来たと思ったら人差し指で俺の股間をつつーと下から上になぞった


「はっ、ぁん……っ」


俺は一瞬遅れて口を手で塞いだ
それを見て春陽が今度はにやりと微笑んで


「俺の家で1人でシないでね?」
「シ…な…シないよっ!!……ばか」


股間を触られた意味を考えたら「シない」がなんのことを指すかすぐにわかって俺は赤面して俯いた

そんな俺を見て春陽は頭にちゅ、と口付けた後


「いい子で待ってて、急いで帰るから」


と笑った

「うん!」

俺は早く春陽の仕事が終わればいいってそればっかり考えてた




カチャン、と鍵が開いた音にドキドキする
人の家に、本人がいないのに入るのなんて初めてで


「おじゃましまーーす………」


だれもいないのはわかっているけどとりあえず声をかけながら入る

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