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息もできない

第17章 会社に行くのです

憂鬱な気分で、家に帰る
ベッドにスーツを脱ぎもしないで倒れこんでため息をつく


大崎さんが、春陽のことを好き……


あんな、美人さんで主任で仕事も出来て

女性でーー…


俺に敵うところなんてない
もしかしたら春陽は告白されたら大崎さんの方に行ってしまうかもしれない

そんなの嫌だ


どうすればいい?



枕に顔を埋める


「ぅにゅーーーー」


唸ってみたけど何も状況は好転しない
でもどうすればいいのかわかんないからしばらくそうしてベッドの上で暴れてみる


暫くそうしていると
インターフォンが鳴った


宅配便かな
何か頼んでたっけ?


今は何もしたくないんだけど不在票が面倒だなぁ、とゆっくり立ち上がって

インターフォンのモニターを見て俺の目から涙が流れた



短い廊下さえ煩わしいほど急いで
走って玄関に向かう


扉を開けると勢いの良さに驚いた顔があった



「春陽!!!」


俺は体当たり同然に抱きついた

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