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息もできない

第17章 会社に行くのです

カランコロン

と軽快な音をドアベルが響かせると少しして奥から俺の恋人が顔を覗かせた


「いらっしゃいませ。二名様ですか?」

「えぇ、そうです」


春陽の声に応えた大崎さんの目は明らかに異性に媚びるような甘さを孕んでいる


「こちらへどうぞ」


しかし春陽はその視線に気づいているのかいないのか何の反応も示さずに席へ案内してくれた

案内される間もずっと春陽の背中を見つめていた大崎さんは席へ着くなり興奮気味に俺に話しかけて来た


「ねぇ、ほら。かっこいいわよね!」


声を潜めてはいるけど興奮は抑えられないようで、会社では見たこともないような笑顔で笑っている


ほんとにこの人春陽のことが好きなんだ


それまでの綺麗系って印象は春陽に会ってからは恋する乙女って感じの可愛い女の子に変わった


ーーーこんな、可愛い女の子に
俺、勝てないかも


徐々にテンションが下がってきたな…
せっかく、春陽に会えたのに

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