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息もできない

第17章 会社に行くのです

席に戻ると大崎さんが心配そうな顔をした


「大丈夫?お腹痛い?」
「いえ。大丈夫です」


別にこの人も悪気があってやってるわけじゃないんだよな…
俺が、頑張ろ


気合を入れる意味も込めてご飯をガツガツ食べた


「そろそろ戻りましょうか」


俺がご飯を食べている間も、水をのんでいる間も、ずっと春陽を眺めてはにやにやしていた大崎さんは腕時計を見て言った


「はい」


俺が伝票を取ろうと手を伸ばすと、俺より早く大崎さんが伝票を取ってしまった


「私が奢るわ。付き合わせちゃったしね」
「そんな、悪いです」
「いいのいいの」


そして大崎さんは俺の耳元に顔を寄せて囁いた


「会計の時が一番三浦さんに近づけるじゃない」


あぁ、確かに
席に案内される時も注文を撮る時も近くに来るには来るけれど話す時間はあまりない
それに比べて会計の時はレジを打ったりと少し時間がかかるため話す時間はある

現に会計の時春陽に話しかける人は多い


「それじゃあご馳走になります」
「はーい」


大崎さんはスキップでもしそうなほど上機嫌でレジに向かって行った

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