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息もできない

第17章 会社に行くのです

俺が黙ったままでいると
春陽はその怖い顔のまま続ける


「直はさ、ああやって誰にでもついていっちゃうわけ?」

「………」


違うって言いたい
でも、俺がしていることは確かに春陽の言う通りだから言えない


「今日の昼も知らない女について来てたし」

昼間のことを話に出され、忘れていた大崎さんのことや春陽が女の子に優しくするところが浮かんで

「あの人は…知らない人じゃ…ない…」

って反抗してみた
春陽はそれが気に障ったみたいで


「ふうん」


と言って
それで
春陽が続けた言葉に俺の頭は真っ白になった



「で?中野の時と同じように信頼した後でヤられちゃうんだ?中野に処女奪われて、今度はあの女に童貞もらってもらうの?」

「!!!!」




なに、それ



春陽そんな風に思ってたの?

やだ
そんな

俺、だって
傷ついたのにそんな言い方


俺の目から涙が一気に溢れてきた

「!」

俺が泣き出したからか春陽が驚いたような、何かに気がついたような、そんな顔をする

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