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息もできない

第17章 会社に行くのです

足を引き摺るように歩いて声を掛けてくる女の人たちも無視して家に帰った

何もする気が起きなくて枕を濡らしながら気を失うように眠った



朝起きて
腫れぼったい目を蒸しタオルで何とかして出勤する

「おはようございます」

挨拶をすると他の人も普通に挨拶を返してくれる


上手く誤魔化せたかな
昨日すごい泣いたの、バレないよね…?


今日は会議も何もないから仕事はいつも通り自分のデスクでパソコンに向かってやるものばかり


誰とも話さなくていいから楽だな
今日はもう誰とも話したくない



と思っていたんだけど



昼休み
コンビニで買ってきたカップラーメンを食べようと思って用意していると


「谷口さん!」


と声が聞こえた

嫌な予感がする
だってこの声は


「大崎さん……」

今は会いたくない
どころか、まさかって思いがする


「今日も奢るからご飯付き合ってくれない?」

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