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息もできない

第17章 会社に行くのです

どうすれば春陽を見ないで済むかな

いろいろ考えた結果

大崎さんと話して意識を逸らそう!と思いつき


「大崎さん、この前の会議のーー」
「そうね、そこはーー」


前回来た時は俺が俯いていて話さなかったからずっと春陽を目で追っていた大崎さんだけど
仕事の話となれば流石上司と思わずにいられないほど真剣に話を聞いてくれるし、やはり出来る人なんだと思わせる密度の濃い内容の話が聞ける


美人で
仕事が出来て
俺に敵うところなんてない


って前も思ったような気がする



そもそも男である俺が女性に勝てるわけがない
今だって春陽は女性客と仲良さそうに話しているし


意識しないように心がけていても結局目で追っている俺がいて



だめだめ
見ない見ない!


「それにしても谷口さんは飲み込みが早くて助かるわ」
「そう、ですか?」


嬉しい、かも


「そうよ。私の部署の新人なんてだめだめ。仕事覚えるの遅くて何度も同じこと聞いて来るし」
「そんなの、俺だってそうですよ?」
「謙遜しないの。社内でも谷口さん噂になってるのよ?イケメンで仕事も出来る新人が入ってきたーって」


うう、むず痒い


「だから私も今回仕事一緒に出来て嬉しいわ」


と微笑まれて
嬉しさから俺も珍しく微笑んで


「こちらこそ、光栄です」


と応えた

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