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息もできない

第18章 悪いのは誰なのか

直目線


夢なんて見ていたわけじゃないんだけど真っ暗闇にいて、そこの遠くで何かの音が聞こえた

意識がはっきりするとそれがインターフォンだってわかる


誰だろ


玄関に行く前に携帯で時間を確認する


日付変わってる…
それに、春陽からの電話ないや


落ち込みながら玄関に向かって誰かを確認せずにドアを開けた


「はい」


そこにいたのは、今まさに俺の頭の中を占めている恋人で


「……ぁ…は、るひ……」


急にさっきのことが思い出されて涙が浮かんだ
けど、次の瞬間俺は春陽の腕の中にいた


「!!」
「…っごめん。不安にさせた。でも俺、直しか好きじゃないよ」


都合のいい夢みたい
さっきまでこうして欲しいって思ってたから



「〜〜〜っ春陽ぃ……」
「誕生日の時みたいに、また泣かせて本当にごめん。嫌いにならないで」


違うよ
誕生日の時と全然違う

俺がして欲しいって考えたことをちゃんとしてくれる


俺たち似てきたみたい
嬉しい

でも


「うにゅーー」


俺は力一杯春陽の背中に回した腕に力を入れた


「なに?苦しいよ。かわいいけど」

春陽に半笑いで言われる


「ちゃんと説明してもらうんだからっ!」
「ん。ちゃんと謝る。説明もする。酷いこと一杯してごめん。でも説明は俺にもね」


春陽にも?
俺なんかしたっけ


首を傾げていると


「大崎さんと一緒にいたことの説明し合おうね」


そっか
春陽も俺もそれぞれ大崎さんと一緒にいたことにヤキモチ焼いてたのか
俺も春陽を傷つけてたんだ


「うん」


俺は柔らかく春陽に抱きついた

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