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息もできない

第18章 悪いのは誰なのか

俺たちが店に入ると俺たちの方を見た店員さんが何でかすぐに寄って来た


「お客様何かお探しですか?」


まだ入店したばっかり…
店員さんてこんな早く声かけてくるんだっけ?
冷やかしだったらどうするんだろ


俺がぼんやりしていると春陽が代わりに答えてくれる


「自分たちで見るんで大丈夫です」
「かしこまりました、失礼いたしました」


そう言って一度は離れた店員さんだったんだけど俺たちが何か手に取るたんびに「試着されますか?」「こちら今オススメでーー」と営業してくる


すこし店員さんが離れたところで春陽のパーカーの裾をちょん、と引っ張った


「どうした?」
「ねぇなんであの人すごいついてくるの?」


春陽は俺の視線を追って店員さんの方を一瞬見た後「あぁ」と呟いた


「俺たちに自分のところの服着て欲しいんだろ」
「なんで?買いに来たんだから買うし、着るのに」


そしたら春陽は俺の鼻を人差し指でつついて


「こんなイケメンがお店の服着てたらいい宣伝になるだろ?だから買ったら着て行けって言われるよ」

「イケメン………春陽のこと?」

「うーん?俺と、直のこと」


俺もイケメン?

俺が春陽変なこと言うなーってぼんやりしていると春陽が少し離れている間にまた店員さんが寄って来て


「こちら新作なんです。ご試着いかがですか?」


うぅ、俺こういうのの対応苦手…

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