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息もできない

第19章 前回とは違うのです

どうしたんだろ…?


俺がぼーっと目で追っていると目の前に来た春陽は俺をふわりと抱き締めた


「!」


まだお店やってるのに…!?


俺が焦って固まっていると春陽が耳元で嬉しそうに言った


「可愛すぎ。今すぐ来て欲しいぐらい」
「春陽…」


なんか春陽って抱きつき癖あるよね
そういうところも


「可愛い」

俺はお客さんが来るんじゃないかって気になって抱き返すことは出来なかったけれど、春陽の服の裾を握った

春陽が抱き締めた時と同じように優しく離れると、俺たちの目が自然と合う

それで微笑みあって


あぁぁぁぁ…幸せ
ほんと、恋人って感じの雰囲気…!!


俺は顔がにやけそうになるのを必死で抑える

すると春陽は俺の頭に手をおいて一瞬撫でた後カウンターの中へと戻って行った

洗い物をし始めた春陽を俺は上機嫌で見つめる

しばらくそんなことをしていたらあっという間にディナーが始まって、またお店は徐々に人がやってきた

これじゃ邪魔になるかなって思って俺は帰ることにする

「それじゃあ春陽、俺そろそろ帰るね?」
「あぁ」


少しだけ残念そうな顔
うれしい


「気をつけて帰れよ?家に着いたらメール入れて」
「過保護」

俺が茶化すと春陽は人がいるのに俺の髪をぐちゃぐちゃかき混ぜてスキンシップを取ってくる

「うるさい。いいから」
「ふふ、はぁい!」

俺はまたさらに上機嫌に家に帰った

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