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息もできない

第19章 前回とは違うのです

大崎さんは机に千円札を置いて店を出て行ってしまった
するとすぐに春陽が俺のところにやってくる


「直、大丈夫?何か言われたの?」
「春陽…ううん。大丈夫」


俺の胸のつっかえはその時は結局解けないままだった



夕方になって俺は春陽に声を掛ける

「春陽。俺そろそろ行くね?」
「ああ。よろしく」

この会話はいつも通りのもの

俺が先に春陽の家に行ってご飯を作って待ってるねって意味


今日は何にしようかなー


と考えながら歩いていると後ろから声をかけられた


「谷口さん」
「はい?」


振り返るとそこにいたのは今日2度目の大崎さんだった
大崎さんは俺の方へ歩み寄りながら話す

「さっきはまた今度って言ったんだけどね、やっぱや早めに伝えておくべきかなと思って」

そう言ってにっこりと笑った

「少しそこで話さない?」

大崎さんは俺を連れて小さな公園に入って行った

夕方と言ってももう夜に近く薄暗い公園に子供たちはおらず、犬の散歩をしている人もいなかったため公園には俺と大崎さんの二人きりだった

近くのベンチに座り、暫すると大崎さんは少し楽しそうに話し始めた

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