テキストサイズ

息もできない

第19章 前回とは違うのです

「嫉妬って人の人格を壊してしまうと思わない?」
「……」
「嫉妬してそれを相手が理解してくれるなら良いけれど、理解してくれない場合すれ違った心と心の摩擦は日を追うごとに大きくなって、熱を持ち、時に人を傷つける」


なんか哲学的、というか
何が言いたいのかいまいちわからない


俺が黙っていても大崎さんは話を続ける


「でね、傷つけたことがあるからあの人は自分の感情を抑えてるんじゃないかしら」


あの人……?


「感情を抑えてるってことは、あなたにまだ本心を見せてないってこと。信用してないってことなんじゃない?」
「………一体、誰のお話をされているんですか?」


大崎さんは妖しく笑った


「三浦春陽」
「……………え」
「彼は昔、嫉妬心で人を壊したことがある」



周りの音が一斉に止んだ気がした



「彼が高校3年生の時にね、付き合っていた女の子がいたの。彼は随分その子にご執心で、他の男の子と喋ることはおろか、見ること見られることも嫌がったそうよ」



息がしにくい
この人は、何を言ってる?



「女の子も最初はそれを許していたのだけれど、その許したのが間違いだった。

彼の嫉妬は常軌を逸していてね、結局彼はその女の子を自宅にーーーーーー」


最後の言葉がよく聞き取れなかった


カン…キン……?

監禁、した?
彼女を?

それほど春陽はその人のことが好きだった?



じゃあ、俺のことは?

ストーリーメニュー

TOPTOPへ