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息もできない

第19章 前回とは違うのです

俺の様子を見て何が楽しいのかはわからないけど大崎さんはくす、と笑った


「すごいわよね?監禁なんて」


話し方もさっきより楽しそうだ


「そんなに執着するなんて、すごい愛情」


くすくすと笑っている声が俺の頭の中に響く
居心地が悪い
胸の中がざわめいてる

でも、そういえばなんで


「なぜ、その話を俺に…?」


俺が聞くと、大崎さんはにっこりと微笑んだ
でも目が笑ってない


「あんな、公衆の面前でいちゃついておいて恋人じゃないなんて言える?」
「!」


この前の、おやすみを貰った金曜と土日の三連休に春陽と行ったショッピングモール
あの時ーー


見られてたのか



「………」


俺が黙っていると大崎さんは俺の顔を覗き込むようにして見てきた


「大丈夫よ?言いふらしたりしないわ。でも許せないの」
「何がですか」
「あなたみたいなゲイが、春陽と付き合ってるってことが。どうせあなたが引き込んだんでしょう?その綺麗な顔で誘惑して」


大崎さんは人差し指で俺の輪郭をなぞる


俺が、引き込んだ?
ゲイになった?
春陽が
俺のせいで?


違う…違う違う違う
違う………多分
でも

監禁されるほど、俺は春陽に愛されてない?

だから
もしかしたら

遊んでただけ?

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