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息もできない

第21章 そろそろ泣きたいのですが

会社は連休明けも連休前も変わらずいつも通りだ
違うことといえば、大崎さんが出勤して来たことくらい

全く違う部署なのにもかかわらず大崎さんが出勤したことがわかったのは、それほど社内がその話題で持ちきりだったから


「大崎さんが出勤してきたって!」
「知ってる。何してたんだろうな」
「えー、なんか怪しい人と会ってたって噂だよ」
「俺はヤクザと会ってたって聞いたけど」
「それはないだろー」


どこの情報から尾ひれが付いたのかはわからないけど、とにかくみんなが噂してた

その話題の中心の人大崎さんはそんな噂を物ともせずに休んでいた分の仕事を凄まじいスピードでこなしているんだとか

それも、何かが吹っ切れたようにはきはきと


近くの人が話している噂話を聞き流しながら自分のデスクで仕事をしていると田中さんから声をかけられた


「谷口さん」
「はい」
「大崎さんが出社したのは知ってるよね?大崎さんがいなくて進まなかった所の話進めたいから臨時だけど今日これから会議やるって」
「わかりました」
「お昼はちょっと遅くなると思うけど平気?」
「はい、大丈夫です」
「じゃあ準備して行こうか」
「はい」

俺たちは会議室へ向かった

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