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息もできない

第21章 そろそろ泣きたいのですが

喉の奥に何かが詰まったみたい
気管が狭くなったような


写真を見れば見るほど俺って邪魔なんじゃないかって気がしてくる

でも


何か、変
写真に違和感を感じる
なんでだろ

………アングル?
自分で撮ったにしてカメラがちょっと離れ過ぎてる気がするし
少しぼやけてる?


俺が違和感の正体を調べようとよく見ていると大崎さんが嘲笑うように言った


「普通元恋人のキスしてる写真なんてそんなにじろじろ見れるかしら」


くそ
もう
気が散るから黙っててくれないかな


俺が黙っていると大崎さんは携帯をポケットにしまってしまった

そして去り際に一言


「これでわかった?春陽はもう私のものなの。諦めてね?」


結局俺は一度も言葉を発することないまま大崎さんは去って行ってしまった

取り残された俺はなぜか冷静に考えを巡らせることができていた


おかしいんだ
何かが

大崎さんもしかして誰かに撮ってもらった?


そんなこと考えていると朝近くで話していた噂話が頭に浮かんできた


『なんか怪しい人と会ってたって』
『ヤクザと会ってたって聞いたけど』


ヤクザは言い過ぎだと思うけど誰に会ってたのかはちょっと調べてみようかな

昔の友達って言ってたっけ
よし、まず大崎さんの地元を人に聞いてみよう

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