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息もできない

第21章 そろそろ泣きたいのですが

部署に帰ると田中さんに声をかけられた


「おかえり。遅かったね」
「あ、すみません」
「いやいいよ。次お昼休みだしね。お昼休み30分延長でいいよ」
「はい、ありがとうございます」


時間出来たな

大崎さんのこと、誰に聞こう
やっぱり最初は圭太かな?


信用できるし
それに少しだけ
慰めて欲しいかも


そう思って俺は圭太に電話した
暫くして電話が繋がる


『もしもし。直か?』
「うん、圭太今暇?」
『あー…ちょっと外で人と飯食ってんだけど…』
「そっか…」
『何か用事だったか?』
「うん。でも今度でいいや」


今日は諦めるかと思って電話を切ろうとしたら圭太に止められた


『いやちょっと待って。ーーーえ、いいの?ーそう』


それから電話の向こうのおそらく一緒に食事に来ていた人と話すような間があってから


『もう帰るって言ってるから直こっち来いよ』
「いいの?」
『いいよ』


それならお言葉に甘えて、と俺は圭太に食事をしている場所を聞いてから急いで行くねと電話を切った


圭太が食事をしていたのは比較的会社から近いファミリーレストランで、圭太は窓際の席に座っていたから俺が外を通った時に軽く手をあげて場所を教えてくれた

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