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息もできない

第21章 そろそろ泣きたいのですが

俺は食事を終えて食器を下げてもらってから圭太に話を切り出した


「圭太、今日は相談があって来たの」
「うん?なんだ」


なんて話すべきかな


俺はできる限り丁寧にわかりやすい言葉を選んで話した

大崎さんに宣戦布告されたこと
春陽に、フられたこと
大崎さんに見せられた写真のこと


聞き終わった途端圭太は大きな声をあげて勢い良く立ち上がった


「はぁ!?!?なんだそれ!!!お前のこと大事にしてくれると思ったから俺は諦めたんだけど!!」
「ちょ、圭太落ち着いて」
「落ち着けるか!!許せねえよ!!!」


俺のために怒ってくれていることに俺は少し安心した

俺は間違ってないんじゃないかって思えたから



「だからね、圭太。俺大崎さんが春陽に何かしたんじゃないかって思ってるんだけど」


と言ってみると圭太は不機嫌な様子を隠しもせずに答えた


「その可能性は低くないんじゃねぇの。脅してるってこともありえるし。………でもな、直」
「うん」
「例え何があっても傷つけられてることには変わらないんだぞ。もっと泣いていいし、怒っていい」


その言葉に目頭が熱くなる

まだだめなんだ
ここで泣くわけにはいかない


でも


「ーーうん。ありがとう、圭太」

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