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息もできない

第21章 そろそろ泣きたいのですが

言われて思い出した


あ……そういえば、俺あの時殴られたんだっけ


大崎さんの地元で男四人に襲われた時、最初に一発拳でさらに抵抗したところを平手で
合計二発殴られたんだった


「えと…」


俺がなんて言おうか悩んでいると春陽は痛くない方の頬を撫でた


「…俺のため?まだ聞いてなかったけど、直大崎さんとのことどうやって解決してきたの?」


とりあえず湿布とタオル持ってくると言い残して春陽は立ち上がった


やっぱり言わなきゃだめだよね…
あんまり言いたくないけど



少しだけ服をめくってお腹を見てみると、大きな痣が出来ていて見るだけで痛みがぶり返してきた


痛て…


服を戻すのと同時ぐらいに春陽が帰って来た
ちょっと荷物をどかしてからソファを背にして座って俺を脚の間に向き合うように座らせる


「ほら、顔出して」


春陽は俺の赤黒くなってしまった頬に優しく湿布を貼って俺の身体を反転させた


「?」


俺が頭に疑問符を浮かべていると後ろから肩を掴まれて


「ほら、寄りかかって」


と言われて後ろに身体を倒すと春陽に背中から包まれる
そして目の上に程よく暖かい蒸しタオルを当てられた


「熱くない?」
「うん…気持ちいい…」

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