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息もできない

第8章 俺のせいでしょうか?

すると怒鳴ったきりずっとだんまりだった三浦さんが口を開いた


「俺は、ちゃんと言っただろ?」
「ーーえ?」



それきりまた俺の手を掴んで歩き始めた

着いたのは三浦さんの家だった
家に入ると三浦さんは俺をソファに座らせてなにやらキッチンで作業している


「はい」


戻ってきた三浦さんの手には少し大きめなマグカップになみなみと注がれたココアだった

甘い、いい香り

思い出したように喉が痛む
あの時、本気で叫んだから

甘さが身体に染み込んで
脳までいくと、頭がスッキリする感じ


あー………
俺、これからどーしよ


圭太のこと思い出してまた涙が滲む


「つらい?」

三浦さんに聞かれて
素直に頷く

「……ん」
「なんで?」
「信じてたのに」
「裏切られた?」
「うん」
「俺はーー」
「………」
「俺は、直のこと裏切ったりしない」


わかんない

もう、なんにもわかんない

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