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息もできない

第25章 息もできない

ショッピングモールの屋外には芝や木などのたくさんの緑があった

「わーー……気持ちいいね、春陽」
「そうだね」


身体を反らしてぐぐ、と伸びをしていると春陽が設置されているベンチとテーブルを指差して言う


「ちょっと寒いけど、日が当たるところなら温かいし、何かテイクアウトして来て外でご飯食べようか」
「うん!」


俺が元気よく返事を返すと、春陽は俺の首に持っていたマフラーを巻きつけた


「それじゃあ、急いで行ってくるからちょっと待っててね」
「えっ俺行かなくて平気?」
「お昼時だしこう天気もいいと、あのベンチもすぐ埋まっちゃうだろうから席とっといて」


確かに今日は俺たちがしようとしているのと同じように中のお店で買ってきたものを外のベンチで食べている人が数組いる


「わかった。じゃああそこのベンチで待ってるね」
「ん。行ってきます」


春陽は俺に一瞬笑顔を見せると、長い脚でスタスタと歩いて行ってしまった


そういえば旅行中春陽と離れたの初かも
あ、露天風呂で待たされたのがあったか
でもずっと二人で行動してたなぁ


俺は一人ベンチに座って携帯を弄っていた

数通来ていたメールはどれも迷惑メールやメルマガで、特に読むことなくメールボックスを閉じた

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