テキストサイズ

息もできない

第9章 お友達ってどこまでですか

「んー、むにゅ」

目蓋越しに外が明るいのがわかる
でも今日は休日だし
もう少し寝ていたい


初めて三浦さんの家に来た時のように横に大きくて温かい何かがある
それが何かわかっていたけどなんか、人肌恋しい?違うな
誰でもいいわけじゃなくて三浦さんのあの広い胸の中で逞しい腕に抱き締められたくて

俺は手を伸ばした



「んむ」

ぎゅっと抱きつくと三浦さんは俺を抱きしめ返してくれた


あー、あったかい
しあわせ


でもそれもほんの一瞬ですぐに身体は離れた

「起きてる?朝飯作ろうか」
「……はい」


朝ごはんよりももう少し抱き締めて欲しいんですけどーとは言えずにとりあえず返事だけすると三浦さんはクスッと笑った


「敬語やめなさい」

と口を軽くつねられた

「みゆーっ…痛い」
「みゆーってなんだよ」

またクスクスと笑って三浦さんはベッドを下りた


「準備できるまで寝てていいよ」
「んー…や、起きる」


言ってから「はい」と腕を天井に向かって伸ばした

「ははっ、お姫様か」

俺のこの行動に三浦さんは嫌な顔一つしないで腕を引いて起こしてくれた


あーなんか心地いい


そのまま一緒にカウンターキッチンがついたリビングに行く

三浦さんはキッチンに入り、俺はリビングの椅子に座って朝食を作る音を聞いていた

ーー友達、なんだよな?

「ねー」
「なに?」
「俺たちって友達?」
「何その質問可愛いな。そう」
「じゃあさ、今日遊び行こ………可愛くない」


お出掛けに誘ってみると三浦さんは少しだけ手を止めてこっちを向いた

「いいよ、なんか行きたいとこある?」
「んー…服、買いたい」
「わかった。じゃあ近くの大きいショッピングモール行こうか」
「やった」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ