息もできない
第28章 番外編「春陽と直が待ち合わせするなら」
お互いに忙しくて、丸一日休みを合わせることの難しい俺たちが漸く休みを合わせたのがつい一月前
一日しかなかろうが楽しみなことには変わりなく、毎日楽しそうにどこに行こうと一ヶ月間ひたすら悩む直が可愛くてしょうがなかった
そして漸くその日が明日へと迫った夜、明日は休みだけど遊びに行くから、と一回戦のみで抑えた情事の後に直が唐突に言った
「ねぇ春陽?明日さ、どこかで待ち合わせしない?」
「待ち合わせ?いいけど、どうして?」
「新鮮味があるじゃん。それに俺たちちゃんと外で待ち合わせしたことなんてほとんどないんだよ?」
直の言葉になるほど、と感心してしまう
確かに待ち合わせなんてほとんど記憶にないな
まぁ手段的にはカップルのマンネリ化解消でよく聞くし
「そうだね。じゃあ待ち合わせしよっか」
「うん!場所と時間は俺が決めていい?」
「いいよ。どこ行こうとしてるかも教えてくれないのに俺が決められないし」
「えへへ……うん。当日まで内緒」
「全く、可愛い顔したって秘密があるのには変わりないんだからな」
「春陽大好き」
俺の嫉妬なんて何のそので純粋な思いをぶつけてくる恋人に「俺も」とキスを落とす
ほんと、俺は直に甘いよ