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息もできない

第9章 お友達ってどこまでですか

到着したショッピングモールは俺が来たことないところだった


すごい人たくさんいる

圭太と遊びに行く時は圭太の腕にふざけて絡まりながら歩いたりしたけどそんなことしたら迷惑かな


でもただ歩いてるだけだとうずうずする
俺のほんの少しだけ前を歩く三浦さんの腕に抱きつきたい絡まりたい


ぅーん…やっぱり、やめよ

「どこ行きたい?」

唐突に振り返って三浦さんが俺に聞いた

「ぅーん…よくわかんないんだけど、三浦さんがよく行く洋服屋とか行きたい」
「ん?俺の服好き?」
「うん。すげーかっこいー」
「そっか。じゃあ行こうか」


と言って連れて来られたお店は服は全部かっこいいのに値段がそれほど高くもない素敵なところだった

わ、あれかっこいいな
これも欲しいな

なんて浮かれながらあっちこっちと店の中をうろうろしているとさっきまで気にならなかったのに周りからひそひそと声が聞こえた

なんて言ってるんだろ
俺の悪口かな
こんなかっこいい服、似合わないかな

だんだん元気が無くなってきて
俺はさっきから俺と少し離れていた三浦さんを探して視線を彷徨わせた


あ、いた……けど


三浦さんは店員さんとにこにこ何やら話しているところだった


話しかけにくいな
それに、女の人…話せて嬉しいって顔してる
俺が行ったら邪魔だろうな

またうじうじ考えてる
わかってはいるんだけど治らない

やだなーこんな性格


さっきその辺の通路にベンチあった気がするからそこ座りに行こ

俺は店を後にして
すぐそこのお店が見える位置のベンチに腰かけた


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