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息もできない

第29章 番外編「Happy Birthday」


春陽と毎日ラブラブな日々を過ごせて幸せ

今まで色々あったけど、大事なのは今で
過去じゃない

元カノのことも、大崎さんとのことも、誕生日のことも
今となってはもういい思い出だ


…………誕生日?
今って、何月何日?


繁忙期を乗り切ったあとは日付の感覚が鈍っていて敵わない

ポケットから取り出した携帯でカレンダー機能を起動すると、今日の日付と曜日が表示された


え、と…………
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?

俺の誕生日、明日だ
すっかり忘れてた……

春陽の誕生日は全然忘れないのに

まぁ、誕生日って人に祝ってもらうのが嬉しいんであって自分1人で楽しむ日じゃないよね


でも、明日か
春陽は何かしてくれるのかな

急に楽しみになってきちゃった


「ふーー……」


仕事を終えて、パソコンを閉じると自然とため息が出る


「谷口さん、もう終わり?」
「はい。お先に失礼します」


この後も残業するらしい先輩に「お疲れ様です」と声をかけて立ち上がる

社員のいない廊下を1人で歩いていると、突然背後から肩を掴まれた


「!?」
「なーおーっ!お疲れ」
「圭太……お疲れ様。もう、びっくりさせないでよ」
「ごめんごめん」

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