息もできない
第29章 番外編「Happy Birthday」
ドアベルの軽快な音が響いて、俺の来店を告げる
「いらっしゃいませ。ーーっと、直か」
「お疲れ様、春陽」
声をかけながら上着を脱いで、いつもの席へと歩く
歩く途中でお店のお客さんから「来た」「来た」と囁かれて少しだけ不機嫌になった
来たって
春陽と仲が良いと男でもこんな風にいわれなきゃいけないの?
いや、ほんとは恋人なんだけどさぁ
独り占めしたい、というかしてるんだけど
だから、女の子たちにこんな風に陰口いわれちゃうのもわからなくはないんだけど
「……」
ちょっとだけ反省しながら席に座ると、俺の背中を覆い隠すように春陽が後ろから俺の前に箸とおしぼりを置いた
「はい。仕事お疲れ様」
「ありがとう」
「何にする?」
「オススメで」
何時も俺がお店に来る時と変わらない会話
「かしこまりました」
春陽が微笑んでキッチンに入っていくと、交代するように副店長である藤波さんがホールに出る
これも、いつもと同じ
春陽が俺の料理を作ってくれるから、その間は女の子たちの相手は全くしない
プチ独占
やっぱり、多少陰口言われてもしょうがないや
でもやめてあげない
「春陽、今日のご飯は何?」
「今日はね……」
そんな他愛もない会話を楽しんで、食事して
春陽が構ってくれなくなったら小説を読んで時間を潰す
「いらっしゃいませ。ーーっと、直か」
「お疲れ様、春陽」
声をかけながら上着を脱いで、いつもの席へと歩く
歩く途中でお店のお客さんから「来た」「来た」と囁かれて少しだけ不機嫌になった
来たって
春陽と仲が良いと男でもこんな風にいわれなきゃいけないの?
いや、ほんとは恋人なんだけどさぁ
独り占めしたい、というかしてるんだけど
だから、女の子たちにこんな風に陰口いわれちゃうのもわからなくはないんだけど
「……」
ちょっとだけ反省しながら席に座ると、俺の背中を覆い隠すように春陽が後ろから俺の前に箸とおしぼりを置いた
「はい。仕事お疲れ様」
「ありがとう」
「何にする?」
「オススメで」
何時も俺がお店に来る時と変わらない会話
「かしこまりました」
春陽が微笑んでキッチンに入っていくと、交代するように副店長である藤波さんがホールに出る
これも、いつもと同じ
春陽が俺の料理を作ってくれるから、その間は女の子たちの相手は全くしない
プチ独占
やっぱり、多少陰口言われてもしょうがないや
でもやめてあげない
「春陽、今日のご飯は何?」
「今日はね……」
そんな他愛もない会話を楽しんで、食事して
春陽が構ってくれなくなったら小説を読んで時間を潰す