息もできない
第29章 番外編「Happy Birthday」
そんな風に数時間を過ごしたら、ようやく閉店時間になった
「春陽、お疲れ様。…………おかえり」
「ありがと。ただいま」
部屋に入ると、部屋に帰って来たっていうのと自分の元へ帰ってきたっていうのと2つの意味での挨拶を交わす
1日我慢した春陽とのハグは食後に食べたケーキより甘くて、全身が溶けてしまいそう
「はふ……」
「ん?どうした?」
「んー……決算期が漸く終わったなぁって」
「そっか。お疲れ」
「…………もっと撫でて」
「はいはい」
くすくす笑われて、恥ずかしくなりながらもそのまま抱き上げられてリビングに持って行かれる
ソファに座らされると「風呂沸かすな」といって春陽が離れていった
あぁ、幸せ
幸せ、幸せ
誕生日なんて関係なく幸せ
そしてふと、思い出す
そういえばさ、俺
春陽に誕生日なんて教えたっけ?
俺はずっと前に聞いたんだけど
俺は……?
聞かれてない
つまり、答えてない
わざわざ自分から申告したりしないし
「!!!」
もしかして、春陽
俺の誕生日知らないんじゃ……!!!!
お祝いしてもらえないのはいいけど、明日気まずいよ!?
「ね、ねぇ春陽、明日仕事は?」
「ん?」
「春陽、お疲れ様。…………おかえり」
「ありがと。ただいま」
部屋に入ると、部屋に帰って来たっていうのと自分の元へ帰ってきたっていうのと2つの意味での挨拶を交わす
1日我慢した春陽とのハグは食後に食べたケーキより甘くて、全身が溶けてしまいそう
「はふ……」
「ん?どうした?」
「んー……決算期が漸く終わったなぁって」
「そっか。お疲れ」
「…………もっと撫でて」
「はいはい」
くすくす笑われて、恥ずかしくなりながらもそのまま抱き上げられてリビングに持って行かれる
ソファに座らされると「風呂沸かすな」といって春陽が離れていった
あぁ、幸せ
幸せ、幸せ
誕生日なんて関係なく幸せ
そしてふと、思い出す
そういえばさ、俺
春陽に誕生日なんて教えたっけ?
俺はずっと前に聞いたんだけど
俺は……?
聞かれてない
つまり、答えてない
わざわざ自分から申告したりしないし
「!!!」
もしかして、春陽
俺の誕生日知らないんじゃ……!!!!
お祝いしてもらえないのはいいけど、明日気まずいよ!?
「ね、ねぇ春陽、明日仕事は?」
「ん?」