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息もできない

第29章 番外編「Happy Birthday」

それから1時間も泣いちゃった俺は、目を腫らしながらくったりと脱力していた


今、何時……
あと少しで……12時

もう、関係ないけど

自分から言うのも恥ずかしいし
明後日になったら「実は」って言ってみよう


「直、このまま寝ちゃいな」
「お風呂、は……?」
「まだお湯入れてなかったから大丈夫。おやすみ」
「おや、すみ……」


泣き疲れて、俺は春陽の腕の中で眠りについた



朝起きたらそこには既に春陽はいなくて、机の上に走り書きが置いてあるだけだった


『起きたらメールして。朝ご飯は直の好きなの作ったよ』


いつも俺が作るのに、こういう時に俺のこと遅くまで寝かせて気遣ってくれる感じが愛しい


好き
春陽大好き


きゅん、と鳴った心が甘く痺れて
それを伝えるために携帯を取りに寝室に戻った


『起きたよ。朝ご飯ありがとう。心配かけてごめんね、もう大丈夫だから』


お店が始まる頃だからすぐには返信は返ってこないだろうと思って座ったら、予想外にすぐ返ってきた


『おはよ。支度したらお店に来て。一緒にご飯食べよう』
『土曜日なのに、大丈夫なの?』
『直は曜日に関係なく大丈夫』

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