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息もできない

第29章 番外編「Happy Birthday」


そんな返信にまたきゅんとして、朝食として置いてあったパンケーキを頬張った


おいし
甘くて、頭もすっきりしてきた

めいいっぱいおめかしして春陽のお店に行こう

とりあえず、腫れた目を治すのが先かな



全身がうつる鏡を見ながらくるっと回る


服装よし
髪型よし

忘れ物は、ないかな


一通り確認を終えたら家を出て、春陽の経営する喫茶店まで歩く


そーいえば
土日だし、お客さん多い
ってことは春陽のこと見てるお客さんも多いのか

ちょっと憂鬱?

ううん、やっぱり嬉しい

一緒に居られるだけで幸せじゃん


歩いていたら、突然携帯が震えた


「もしもし?春陽?」
『直、もう家出た?』
「ん。もーちょっとでお店着くよ」
『わかった。迷わず入っちゃっていいから』
「うん……?」


迷わず?
そんなに手一杯なのかな


春陽の意味深な発言の答えはすぐにわかった


「なにこれ……『CLOSED』……?」


閉まってるじゃん


お店のガラスには全面にカーテンが引かれ、札はお店が開いていないことを表す文字

近くにいた女性の二人組も


「えっ閉まってるじゃん」
「ほんとだ〜残念」
「どうしよっか」


と残念そうに踵を返す

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