息もできない
第30章 番外編「恋人達の聖夜」
春陽視点
クリスマスといえば、小さい頃はプレゼントが貰えるとずっと楽しみにしていた日
少し大きくなってからは恋人と過ごす甘い1日
どちらにしても、1年の中でなかなかのビッグイベントなことに違いはない
けど、社会人になってからはクリスマスにそんなことをしている時間はない
直は当然の如く仕事だし、俺も
「すいませーん。注文お願いします」
「はい、ただいま」
忙しいことこの上ない
カフェ、という仕事柄クリスマスに浮かれる恋人達が立ち寄るこの日に店を開けないなんて選択肢はなく、当然休みを取るなんてありえない
アルバイトを雇えば多少は楽だろうと言われるし、実際アルバイトの募集はないかと聞かれることも多々あるのだが
『女の子のバイトは……嫌……絶対春陽狙いじゃん……。男の子、は…………ごめん。大変なのわかってるけど、俺より長い時間一緒にいる人がいるの……ちょっと……やだ……』
なんて、最愛の可愛い可愛い恋人に言われてしまえば俺に頑張って店を回す以外の選択肢はない
あの時の直、すごい破壊力だったな
潤んだ瞳で、俺の服の裾ちょっとだけ摘むように持って
少しうつむき気味に甘える声で………
クリスマスといえば、小さい頃はプレゼントが貰えるとずっと楽しみにしていた日
少し大きくなってからは恋人と過ごす甘い1日
どちらにしても、1年の中でなかなかのビッグイベントなことに違いはない
けど、社会人になってからはクリスマスにそんなことをしている時間はない
直は当然の如く仕事だし、俺も
「すいませーん。注文お願いします」
「はい、ただいま」
忙しいことこの上ない
カフェ、という仕事柄クリスマスに浮かれる恋人達が立ち寄るこの日に店を開けないなんて選択肢はなく、当然休みを取るなんてありえない
アルバイトを雇えば多少は楽だろうと言われるし、実際アルバイトの募集はないかと聞かれることも多々あるのだが
『女の子のバイトは……嫌……絶対春陽狙いじゃん……。男の子、は…………ごめん。大変なのわかってるけど、俺より長い時間一緒にいる人がいるの……ちょっと……やだ……』
なんて、最愛の可愛い可愛い恋人に言われてしまえば俺に頑張って店を回す以外の選択肢はない
あの時の直、すごい破壊力だったな
潤んだ瞳で、俺の服の裾ちょっとだけ摘むように持って
少しうつむき気味に甘える声で………