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息もできない

第10章 そして始まります

「気遣う余裕もなかったなんて、悔しい…ー」

ますます可愛さが増したなぁ、なんてことを考えているとハルヒがふと顔を上げた


「悔しいーーーから、やり直そ?ファーストキス」
「へ?」

そしてゆっくりと顔が俺と同じぐらいの高さにまで上がって、両手で顔の両側を固定される

「あっ…ちょっと、まっ…」
「ん?」

俺の話を聞いているのかいないのか聞き返しながらも唇を避けて顔中にキスを落とされた

「ぅ…ん、あ」

くすぐったいような、恥ずかしいような感じがして小さな声が出る


そして

「直……」

と囁かれて
髪をかきあげられたと思ったら

ゆっくりと形のいい唇が近寄ってきて
重なった


ねっとりと感触を残すように離れたハルヒの顔を見れば、満足したように微笑んでいる


なんか、感動する
涙出てきた


「ふ、ぁ…っ、ぅぅ…」

「なんで泣いてるの?」

と聞きながらハルヒは目許にキスしては俺の涙を飲んでいる


「うれしくて…っ」

正直にそう言うとハルヒは一瞬驚いたような顔をしてから俺を優しく抱きしめた


「俺の方が嬉しいよ。直のファーストキスなんて、さ」

そうすると今度は俺をベッドに押し倒してきた

「?」
「我慢できない……ーシよ?」

「……っ、初めてだから上手くできないかも」

「上手かった方が嫌だよ」

「…それだったら」

「うん」

「俺も、ハルヒが上手かったら嫌だ」

「ぁー……それは、まぁ……色々あるし」

「……………」

「睨むなよ。俺は嬉しいよ?直を気持ちくさせることが出来るんだから」

「なっ………ズルイ」

ハルヒは笑ってから俺にまたキスをした

「大丈夫。俺も直のナカで気持ち良くしてもらうから」

露骨な表現に顔が赤くなる
そんなこと言われたらどうしようもない

「上手く言いくるめられたー」

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