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薫子の先生な日常

第3章 スクールカウンセラーさんと。

「ああ……学校の先生って本当に忙しいね。」

私はうなづく。

「でも、心理の人みたいな苦しみはないよ。」

「え?」

「大変だよ、人の気持ちがわかるって。自分の心にも影響すると思うから。」

Tは静かに微笑んだ。

仕事柄、何人かのカウンセラーさんに会ってきたけれど Tはその中で一番の癒し系だ。

柔らかな感性と人間の苦しみに対する、同情に近い共感を感じる。

「研究授業いつ?」

「9月頭……だけど検討会が、あした。」

「自分が言うのもあれだけど……大丈夫、先生なら子ども達が助けてくれるよ。」

私も思わず笑顔になる。

「うん。知ってる。」

そうだね、とTも笑った。

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