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♢Fallen Angel♢

第1章 APPETIZER

「先に寝ててよかったのに」
髪を撫でると腕を掴まれ、まるで犬のように鼻をひくつかせて
「蓮の体、男の香水の匂いがする」
「仕事だったんだからいつものことじゃない」
目線を逸らすと
「いつもと違う。綺麗にしてあげるから来て」
不機嫌そうな顔を浮かべて強引に腕を掴んでバスルームに押し込むと、服のままシャワーを浴びせる。
「やめて。ちょっと何?」
「オレだけおあずけで蓮だけいい思いするのズルイよ」
「…いい思いなんてしてないよ。もしかして妬いてるの?」
「やいてない」
壁に蓮の体を押さえつけ、ワンピースの裾をたくし上げ指を滑らせる。
シャワーに混じり、いやらしく響く音。
「やだ…やめて」
余韻の残る体の奥が、また痺れる。
体を捩って胸を押し
「もう、分かった。どうしたら機嫌が治るの?でも、唯を起こさないと幼稚園バスに間に合わなくなるけど?」
強い口調に
「唯たん送ったら蓮にいっぱい奉仕してもらう」
悪戯な笑みを残してバスルームから出ていった。
濡れて重くなった服を脱ぎ、熱いシャワーで疲れと匂いを洗い流す。
中に指を入れ、残された熱いものを掻き出すと次々に溢れてくる。
バスルームから出てバスローブを羽織り、濡れた髪を拭いながら戻ると、ソファーで寝息をたてている唯の体を揺らした。
「起きて。幼稚園に間に合わない」
無理やり唯の体を起こすと、帰りにコンビニで買ったサンドイッチを持たせた。
小さくかじりながら甲高い音のするテレビをぼんやり見ている。
動かない体を無理やり着替えさせているとアラーム音が鳴り
「駿、お願い」
小さな鞄を肩に掛けて唯を抱き上げると
「唯たん?ママにいってきますしよ?」
小さく手を振り、肩に凭れると
「いってきます…」
瞼を擦って小さく呟いた。
ドアが閉まり、姿が見えなくなるとピルをウォーターサーバーの水で飲み込んだ。
猫足の椅子に小さく座るとタバコに火をつけてテレビを消し、流れる青白い煙をぼんやり見ていると
「ただいま」
椅子越しに後ろから抱き寄せられ首筋を舌が這う。
タバコの火を灰皿に押し付け消すと
「ちょっと待って。今ほんと疲れてて…少しだけ眠らせてくれない?起きたら駿の言うこと聞くから。ね?」
「う…ん…じゃあ一緒に寝てもいい?」
「何もしないって約束できる?」
「うん」
ベッドに潜ると後ろから抱きしめられ、駿の腕の中で眠りに落ちた。 

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