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♢Fallen Angel♢

第2章 *

タクシーを飛ばして住宅街を走らせマンション前で停めてエントランスを抜け、玄関のチャイムを鳴らしても静まり返ったまま…
何度か鳴らすと扉が開き、眠そうに不機嫌な顔を浮かべている。
「すいません…遅くなって」
「遅くなるならなるで早めに連絡くれませんか?」
「…はい」
強い口調に押され、愛想笑いを向けた。
バッグを渡されると肩に掛け、眠って重くなったパジャマ姿の唯を委ねられ抱えると
「ありがとうございました」
会釈して静かにドアを閉めてバッグに入ったダウンを抜き取り羽織らせると、抱えたままタクシーに乗り込んだ。
リアウィンドウは群青から薄青に染め変えられていく。
マンションに戻ってベッドに寝かしつけると隣で駿が寝返りを打ち、目を覚ましてゆっくり起き上がると掠れた声で
「…おかえり」
唯を跨ぎ、近寄ってベッドに凭れるように座ると
「また悠人さんの店?」
「…今日はちょっと飲みたい気分だったから」
目線を合わさずにクローゼットからスウェットを取り出した。
「そうなんだ…客から逃げる時はいつも悠人さんの店だから今日もそうかなって…でも仲がいいから兄妹だけど妬けちゃうよ」
機嫌を窺うように放つ言葉を無視してワンピースを脱いで床に転がしスウェットに脚を通すと
「いつ帰ってたの?」
「12時くらいかな?」
スウェットに着替えて隣に座ると
「…今日の事なんだけど」
「どうしたの?」
「出かけるのは構わないんだけど連絡くれないと困るよ。予定がたたない…」
「ごめんね。今度からそうする」
「それに今日、何の日か忘れてない?」
「何が?」
不思議そうに見つめる顔に
「もういい…」
「何で怒ってるの?」
抱き寄せるとスウェットの中に手を滑り込ませホックを外すと、指先が胸の膨らみをなぞり先端を転がすと
「硬くなってきたよ。気持ちいい?」
「もう…」
体を捩るとベッドに倒されて駿の体に覆われるとスウェットをたくしあげ、露わになった胸に舌を這わせる。
楽しむように硬くなった先端に舌先を押し付けては何度も舐めて音をたてて吸い付く。
頭を押しのけて
「今日はだめ…」
名残惜しそうに唇が離れると
「明日ならいいの?」
目線を逸らして
「…知らない」
ベッドに潜ると柔らかい胸の膨らみを揉みながら顔を埋めて
「蓮の胸、柔らかくて気持ちいい」
「駿のバカ…」
髪を撫で駿を抱きしめると眠りに落ちた。

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