
♢Fallen Angel♢
第2章 *
手渡された新しいビールに口をつけ
「源さんは?」
「ああ…オーナーなら外に出てるよ。直ぐ戻ると思うんだけど…」
「そうなんだ…」
ため息と一緒にタバコの煙を吐き出した。
「連絡入れようか?」
「いい…」
灰皿にタバコを押し当てて火を消すとビールを飲み干して現金を渡し
「…もう帰るね」
立ち上がるとエレベーター前で
「ありがとうございました」
見送りに手を振るとタクシーを捕まえて繁華街から離れたクラブで降りた。
階段を降りて扉を開けると人で溢れていた。
入り口でコートとバッグを預けて中に入ると大音量の音楽に振動と熱気。
カウンターを抜けフロアーに出るとブラックライトの闇の中をレーザーが照らしている。
導かれるようにブースの前で音楽の波に乗り、刻むように降り注ぐフラッシュを浴び陶酔する。
置いたままにしていたZIMAを飲み干すとカウンターに置いて階段を上り外に出た。
ベンチに座り、火照った体を冷ましていると、ビルの影から見慣れたスーツ姿が見え
「源さ…ん…」
後ろには甲高い声をあげて笑う女の姿があった。
目線を逸らしてクラブの扉を開けた。
同業者だから仕方がない事…
分かっていても心が軋んで痛くなる。
階段の途中で止まり壁に凭れていると
「そんな所で何してるの?」
「オレ達と飲まない?」
「…いいよ」
降りて行くとカウンター近くの小さなテーブルにはTEQUILAとレモンを乗せたショットグラスが並び、注がれて手に持つとグラスを合わせてレモンをかじり一気に飲み干す。
注がれたショットグラスを合わせては何度も胃に流し込んでいくと次第に意識が混濁し、カウンターに伏せていると男に肩を抱かれ
「行こうか?」
導かれるように男の後を続いた。
歓楽街から離れ街灯の少ない路地へと誘われる。
意識が途切れ、気が付くと見慣れない高い天井に柔らかな大きなベッドの上にいた。
いびきをかいている男の隣を静かに離れホテルから出ると、辺りは凛とした朝の空気に包まれる。
タクシーを捕まえてマンションに戻り静かにリビングのドアを開けると
「おかえり」
体が反応して
「起きてたんだ…」
「さっき起きたところだよ。でも早く帰ってくるんじゃなかったっけ?」
「何の事?」
「唯たんとの約束…」
「あ…でも少しだけ寝てもいい?」
ソファーに座ると
「ダメだよ。寝たら起きないんだから」
「源さんは?」
「ああ…オーナーなら外に出てるよ。直ぐ戻ると思うんだけど…」
「そうなんだ…」
ため息と一緒にタバコの煙を吐き出した。
「連絡入れようか?」
「いい…」
灰皿にタバコを押し当てて火を消すとビールを飲み干して現金を渡し
「…もう帰るね」
立ち上がるとエレベーター前で
「ありがとうございました」
見送りに手を振るとタクシーを捕まえて繁華街から離れたクラブで降りた。
階段を降りて扉を開けると人で溢れていた。
入り口でコートとバッグを預けて中に入ると大音量の音楽に振動と熱気。
カウンターを抜けフロアーに出るとブラックライトの闇の中をレーザーが照らしている。
導かれるようにブースの前で音楽の波に乗り、刻むように降り注ぐフラッシュを浴び陶酔する。
置いたままにしていたZIMAを飲み干すとカウンターに置いて階段を上り外に出た。
ベンチに座り、火照った体を冷ましていると、ビルの影から見慣れたスーツ姿が見え
「源さ…ん…」
後ろには甲高い声をあげて笑う女の姿があった。
目線を逸らしてクラブの扉を開けた。
同業者だから仕方がない事…
分かっていても心が軋んで痛くなる。
階段の途中で止まり壁に凭れていると
「そんな所で何してるの?」
「オレ達と飲まない?」
「…いいよ」
降りて行くとカウンター近くの小さなテーブルにはTEQUILAとレモンを乗せたショットグラスが並び、注がれて手に持つとグラスを合わせてレモンをかじり一気に飲み干す。
注がれたショットグラスを合わせては何度も胃に流し込んでいくと次第に意識が混濁し、カウンターに伏せていると男に肩を抱かれ
「行こうか?」
導かれるように男の後を続いた。
歓楽街から離れ街灯の少ない路地へと誘われる。
意識が途切れ、気が付くと見慣れない高い天井に柔らかな大きなベッドの上にいた。
いびきをかいている男の隣を静かに離れホテルから出ると、辺りは凛とした朝の空気に包まれる。
タクシーを捕まえてマンションに戻り静かにリビングのドアを開けると
「おかえり」
体が反応して
「起きてたんだ…」
「さっき起きたところだよ。でも早く帰ってくるんじゃなかったっけ?」
「何の事?」
「唯たんとの約束…」
「あ…でも少しだけ寝てもいい?」
ソファーに座ると
「ダメだよ。寝たら起きないんだから」
