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♢Fallen Angel♢

第3章 **

マンションに戻りドアを開けると明かりが漏れ
「おかえり。早かったね」
「…うん」
中に入ると駿を押しのけるようにして靴を脱ぎ、シューズクロークに片付けていると
「あれ?今日はネイルしなかったの?」
「カットとカラーだけだよ。ネイルは客に評判悪いから」
蓮の後に続いて歩きながら
「オレは好きなのにな…」
「駿の趣味なんて知らないよ」
「ギャップが可愛いのに客も分かってないよな。でもその店長って客なんだろ?」
「持ちつ持たれつだから駿は心配しなくても大丈夫 」
寝室に入るとベッドで唯が寝息をたてている。
帽子を脱いで鏡台の前に座り耳に触れるとため息が漏れた。
面倒くさそうにバッグから携帯を取り出してメール画面を開いた。
〈お仕事おつかれさまです♡今日はありがとう。もしかしたらお店にピアス忘れてない?〉
送信後直ぐに
《店で預かってるよ。仕事が終わったら届けようか?》
〈ありがとう♡でも今日は遅いからまた会う時に貰うね。おやすみなさい♡〉
返信を待たずに鏡台に携帯を置くとバスルームに入り、シャワーを浴びてベビードールに着替えて寝室に戻り、ベッドに座ると駿に押し倒される。
「もう…なに?」
裾をたくしあげ胸を弄り首筋に舌が這う。
「ちょっと…だめ。吸いつかないで。跡がついちゃう」
胸元まで舌が伝い
「じゃあここならいいでしょ?」
小さく赤い痣をつけた。
腕が押さえつけられ小さく唇が重なると首を振り
「もう…眠いんだからやめて」
布団に潜り、背中を向けると駿は後ろから手をまわし、腕枕をして蓮を抱きしめた。
髪を撫でていると寝息が聞こえてきた。

腕を外して蓮の体を軽く揺する。
「蓮?」
何か呟いて寝返りをうつ。
ベッドからすり抜けて、リビングで携帯を開くと不在には女の名前…
「電話遅くなってごめんね」
「今からはちょっと厳しいかな…」
「うん…」
小声でやり取りをしていると寝室のドアが開く音がして慌てて
「ごめん。また後で連絡する」
それだけ告げて電話を切った。
スイッチを弾く音でリビングが明るくなると
「駿?誰と話してたの?」
瞼を擦りながらベビードールの裾を揺らしてキッチンに足を運ぶ。
「友達だよ…」
「電気くらいつけたら?それに小声で話さなくてもいいのに」
「起こしたら悪いかなって…」
「そう…」
水を飲むと、蓮は再び寝室に戻って行った。

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