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♢Fallen Angel♢

第3章 **

マンションに着くと見慣れた黒塗りの高級車が停まっていた。
不思議に思いながらも車から降りると、人目を避けるように源の後を続いた。
玄関のドアを開けて蓮を先に入るように促すと中に入り、広いエントランスを抜けてリビングに入ると、源は革張りの大きなソファーに体を委ねた。
そんな姿を横目に、キッチンに入り慣れた手つきでコーヒーを淹れる。
カップを手にリビングに戻ると
「唯のことなんだけど…」
「ああ…」
他人ごとのように小さく呟き、リモコンを弄りながら目線はテレビ画面を向いている。
「幼稚園でね…ううん。やっぱりいい…何でもないよ」
歪んだ笑顔を見せないように俯くと、源は優しい微笑みを浮かべてソファーのシートを軽く叩いて
「隣においで」
テーブルにカップを置くと促されるまま隣に座り、源の腕に寄り添うように凭れた。

唯の話になると源さんとの温度差を感じる。
認知していなくても親子なのに…
どうすれば上手く伝わるの?
どうすればこの感情が埋まるの?

大画面テレビの中で車が爆音をたてて走り、砂埃が舞い激しいカーチェイスが展開されている。
「ここにおいで」
「…うん」
促されるまま背中を向けて源の膝の間に小さく座ると、後ろから抱き寄せられ、唇が首筋に触れて舌が這う度、甘い声が漏れる。
声を我慢している姿に源は微笑み、ワンピースの裾をたくしあげて下着越しに指先が何度もなぞる。
「…源さん…もう…だ…め」
「何がだめなの?」
耳元で甘く囁く。
「…だって」
「感じてるの?ほら、集中して」
テレビ画面を指差した。
忙しなく展開するテレビに蓮が目を移すとワンピース越しに胸を撫でる。
テレビ画面に集中できないでいると、ワンピースの裾を捲り下着を避けるよう指先が浸食する。
「…お願い…もう…」
頬が熱を持ち、体の奥が締め付けられる。
「まだだよ。大人しくして」
弄ぶように、ゆっくりと指先を抜き差しする。
「源さん…も…う…」
大きなため息を漏らすと愛液が溢れてくるのを感じる。
指先が離れると
「シャワー浴びてくる?」
「…うん」
ゆっくりと源の体から離れて立ち上がると床に置いたままのバッグからポーチを掴んで寝室のドアを開け、奥にあるバスルームで駿の匂いを消すように熱いシャワーを浴びた。
シャワーを終え、バスローブを羽織ろうとすると胸元の赤い痣に気づき、慌ててファンデーションで隠した。

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