テキストサイズ

星光学園物語 -性行為認知校の実情-

第6章 傲慢の堕落

 前田君の案内で、私は特別交番まで通された。
 交番と言っても中はまるで職員室のような物で、堅苦しい雰囲気はあまりない。

「失礼します。新任の宮本先生をお連れしました。奥の部屋をお借りします」
「はい。御苦労さま」

 中にいたのは中年を少し超えたくらいの男性が一人。
 制服ではなく私服を着ており、新聞を読んでいる。

「宮本です。今日からお世話になります」
「はいはい。宜しくね」

 私が挨拶しながら会釈をするけど中年の男性は新聞から顔をあげずに答える。
 新人の私にはまるで興味がないと言った感じだ。

「それでは宮本先生、こちらへ」

 前田君に促されて私は前田君の後に続く。
 部屋を抜けて、奥の部屋に案内される。
 前の部屋と同じくらいの大きさの部屋だけど、物が少ない分、広く見える部屋。
 部屋の中央には取り調べに使うような机とその机を挟むようにして椅子が二つ置いてある。
 前田君はその一方に私を座らせた。
 私が腰かけると前田君は向かいの席に座る。

「改めて、今日宮本先生を案内させていただく、教師世話役会会長の前田悠斗です。至らない点もあると思いますが宜しくお願いします」
「宜しくお願いします」

 前田君に合わせて頭を下げる。
 年下でまだ学生の彼にこんな風にしっかりとした応対が出来る事に感心した。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ