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星光学園物語 -性行為認知校の実情-

第6章 傲慢の堕落

 「強姦」という言葉を聞くとどうしても思い出してしまう。
 忘れてしまいたい過去を。

「すみません。これも説明なので」

 前田君は困った表情を浮かべる。
 私が過剰に反応してしまったからだ。

「ごめんなさい。少し取り乱したわ。続けてくれる?」

 私は一度深呼吸をしてから前田君に謝る。
 彼は説明してくれているだけだ。
 そう思うように心掛ける。

「宮本先生のお気持ちも分かります。強姦なんて許される筈がない。しかし誤解をする生徒がいるのも事実なんです」

 確かに分からないでもない。
 正しい判断、認識ができないから未成年で、それを学ぶ為に学校に通っているのだから。

「この学園にこうして交番が設置されるようになったのも、行き過ぎた行為に対して、適切に対処する為だと聞いています。この交番が出来るまでは荒れ放題だったそうですから」
「そうなのね」

 この交番のお陰である程度犯罪行為を防げるというのなら、ここでの仕事も為になるかも知れない。
 私は少し考えを改めた。

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