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星光学園物語 -性行為認知校の実情-

第6章 傲慢の堕落

「話は変わりますが、先生はこの特別交番勤務の間、学園内では教員として扱われる事になります。もちろん教壇に立つ事がある訳ではないと思いますが、教員用の職務規定などが適用されます。一部例外もあると聞いてますが、僕は内容を把握していないので」

 こういう部分まで生徒にやらせるのはどうなんだろうかとは思う。
 が、これも教育の一環なのだと言い聞かせる。

「分かったわ。後で確認させてもらうわね」
「お願いします」


 前田君の説明はその後も色々な方面に渡って続いた。
 生徒の校則や明日生徒達への顔見せとして全校集会がある事など、生徒でも知っている事から、本来生徒が知らないだろう事まで。
 初日だから色々説明されるのは想像していたけど、その全部を前田君がこなしてしまう。
 ふと時計を確認すると十時前。
 前田君の説明が正しければもう一限目が終わって二限目も始まっている時間だ。



「ねえ、前田君?少し関係ない話になってしまうのだけどいいかしら?」
「なんでしょうか?」


 話を止めてしまった私にも笑顔で応対してくれる前田君。
 本当にしっかりした子だ。

「きちんとした説明をしてくれるのは嬉しいんだけど、前田君は授業に出なくていいの?もう授業始まってる時間だよね?」
「はい。今日は宮本先生のお相手をさせてもらうので、朝から全部公欠なんです。だらか宮本先生は気にしなくても大丈夫ですよ」
「そ、そうなの」

 前田君がそういうならと思う反面、本当にそれでいいのかとも思う。
 確かにこういう説明の場を得る意味では勉強になるかも知れない。
 でもその代わりに本来受ける筈の授業に出なくてもいいなんて本末転倒な気もするのだ。

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