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星光学園物語 -性行為認知校の実情-

第6章 傲慢の堕落

 柏さんから食事を二人分受け取ると私達は後から来るだろう生徒達の事を考えて隅の方に腰を下ろした。
 向かいの席に前田君が座る。

「仲よさそうね」
「こういう仕事をしているので他の生徒達と違う時間に昼ご飯を食べる事も多いので覚えてもらえたみたいなんですよ」

 前田君の口調が少し堅苦しく戻る。

「私にもさっきみたいな感じで喋ってくれていいわよ。前田君が堅苦しいと私まで緊張しちゃうし」
「そうですか?ならそうします」

 前田君とお喋りをしながら食事をしているとお昼の時間になったのか、徐々に生徒達が食堂に集まって来てあっという間に賑やかになった。
 それでも私達の周りだけは少し空間が空いている。
 生徒達も見知らぬ私に遠慮しているんだろう。
 初日だしそれも仕方ない事、これから少しでも打ち解けるようにできたらいいなと思う。

 口調を崩した前田君はご飯を食べながらも適度に喋りかけてくる。
 話の内容は主に私の経歴について。
 それも興味の範囲の浅い質問で、私が気軽に答えられるような内容ばかりだ。

「それで先生。ちょっと真面目な話、午後の予定なんですけど」

 二人共が食べ終わりかけた頃、話が途切れた所で急に真面目な顔をして話し始める前田君。
 私も箸を置いてちゃんと聞く姿勢を作る。

「午後は校舎を回って順に施設の説明をします。流石に授業中に邪魔をするわけにはいかないので、授業で使っていない所から順に回って、放課後になったら通常の教室なども案内します。この学園、普通の高校に比べて大きいので、大変だと思いますけど」
「大切な事だものね。宜しくお願いね」
「はい。任せてください」

 前田君は自信満々に答える。
 こういう事、好きなんだろうし向いているんだろうな。

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