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星光学園物語 -性行為認知校の実情-

第6章 傲慢の堕落

「残りはどこ?」
「大丈夫ですか?」



 声の聞こえる教室から離れた所で前田君に私は問い掛ける。
 それに対して前田君は私を心配したような返答をする。



「覚悟はしてたけどちょっと想像以上だったかな」
「だと思います。僕も入学したばかりの頃は驚きの連続でしたから」


 前田君は私を少しでも安心させようとしてくれているのか今まで以上に笑顔で応対してくれる。
 その笑顔が私の思考回路をなんとか正常に戻してくれる。


「…………もう大丈夫よ。まだけっこう回るの?」
「いえ、後は職員室だけですけど」
「それなら早く行っちゃいましょ。授業も終わったのに前田君をいつまでも拘束してたくないし」


 それは建て前。
 本当は早く終わらせて交番に戻りたいだけ。


「……分かりました。こちらです」


 前田君もそれを感じ取ってくれたのか何も言わずに案内してくれた。

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