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星光学園物語 -性行為認知校の実情-

第6章 傲慢の堕落

 私は数歩分、後退りしてしまう。

 狂ってる。
 生徒も教師も保護者も役員も全員狂ってる。
 いくら認定校なんて言ってもこんなのが許されるわけがない。

 逃げ出したい。
 こんな所、今すぐ。
 でもどこに?
 今日はもう放課後だし帰ってもいいかも知れないけど、明日からもある。
 休むわけにもいかない。



 結局、逃げられない。
 この艶美で淫らな声の響く学園にほぼ毎日のように通う。



 お先は、真っ暗。
 私、どうしたら……。



「宮本先生……ここに……いたんですね」
「ひっ!!」


 怯えながら声のした方を見る。
 息を切らして膝に手を付きながら呼吸を整えようとする前田君の姿があった。



 狂いきった学園内で唯一、まともに思える存在。
 前田君は私の顔を見るなり、ゆっくりと近付いてくる。


「奥の部屋、借りますね」
「ああ。そうしてくれ」


 前田君は中年男性に許可を取る。
 男性は私の事を嫌悪する表情で見てくる。
 その間にも、男性のデスクの上に座り足を開く女子生徒。


「宮本先生、こちらへ」


 前田君に腕を引かれて、私は奥の部屋に入った。

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