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星光学園物語 -性行為認知校の実情-

第6章 傲慢の堕落

「座って、少し落ち着いて下さい」


 前田君はそう促して私を椅子に座らせる。
 私は椅子に座るなり頭を抱え込んだ。


 衝撃的な光景の数々が頭の中でフラッシュバックする。


「もう、嫌……」
「…………先生」
「前田君、こんなのおかしいよ。こんな学校が国に許されるなんて」
「そう……なんでしょうね。新任の先生を相手にする度に僕も思い知らされます」


 共感してもらえる事が嬉しくて私は顔をあげて前田君を見る。
 私と距離を置く為か、壁にもたれるようにして立っている前田君。



 彼だけは信用出来る気がする。



「先生、これからどうしますか?」
「これから?」



 これからどうするか。
 選択肢があるとは思えないんだけど。


「受け入れて耐えるか、それとも染まるか。今まで僕が見てきた先生はそのどっちかが殆どです。辞められた方以外は」



 耐える、染まる、辞める。
 言われてみれば選択肢がないわけではない。
 でも、私はどうしたらいいんだろう。

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