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星光学園物語 -性行為認知校の実情-

第6章 傲慢の堕落

 辞める……は、ない。
 苦労して憧れの警察官になったのに、こんな事で諦めたくない。



 残るは、耐えるか、染まるか。


 どっちも正直出来る気がしない。
 一年間、あの独特の臭いや淫猥な音に耐え続ける事も。
 生徒達を相手にそういう事をする気にもなれない。



「いっそこんな認定がなくなればいいのに」



 前田君は吐き捨てるようにぼやく。
 認定がなくなれば…………そうか。



「それだ」
「え?」
「国の認可が出ていると言っても許されているのはここまで過度な物では無かった筈。それに前田君の言ってた誤解から来る犯罪行為が本当にあるのであれば、こんな認可が続くわけがない」


 そうだ、ここまで過激な事が許されるわけがないんだ。
 きっと学園が国には報告していない部分がある筈。
 そこを突く事ができればこんな認定無くせるかもしれない。


「現状を訴えるって事ですか?」
「そうね。やってみる価値はあるわ。しばらくは耐えないといけないけど」


 何もしないで耐えるよりはマシ。



「前田君も手伝ってくれない?私一人じゃ調べきれない事もあるだろうから」
「それは、いいですけど」
「ありがとう」


 少しだけ光明が見えた気がした。

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