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星光学園物語 -性行為認知校の実情-

第6章 傲慢の堕落

 リストにある名前は、内閣総理大臣を始めとする大臣や、官僚、超大手企業の社長など超大物ばかり。
 その横にはそれぞれに異性の名前と二つの数字が並ぶ。
 数字はどうやら卒業年のようだった。

 「顧客リスト」という名前、そして大物達の名前とその横に並ぶ卒業生達の名前。


「そんな……」


 私はその場に画面から視線を落とした。
 もう見ていられない。
 これが何を示しているのか分かってしまったから。


「これじゃあ、どこに訴えても意味ないじゃない。こんな事って……」



 卒業生を有名大学に進学させ、各業界に送り込む。
 卒業生以外が要職についている場合は、秘書や近しい存在として傍に置く。
 そしてこの学校で学んだ性行為を振るえば……この学校の認定を取り消そうとする人なんて現れない。


 そんな事したら今まで築き上げた地位や名誉すら失いかねない程、強大な相手との戦いになる。




 私も同じだ。
 きっとこれをまとめて上に見せたら私はエリートコースから外れる。
 警察官でいたとしても、上にはいけない。
 「沈黙は金」というヨーロッパの振るい格言があるけど、この場合はまさにそれだ。



 私は黙ってパソコンを閉じた。

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