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星光学園物語 -性行為認知校の実情-

第1章 憧れと無知の堕落

「亜紀子ちゃん、私の話を少し聞いてくれる?」
「……はい」


 あたしがひとしきり泣いて落ち着いた頃、心美先輩がそう口を開いた。


「私や義昌も去年、ここの学校の事を知らずに入って来たの。私と義昌は幼馴染でね。家もすぐ近くでしょ?だから何も知らずにここに入って来た。そして何も知らないまま祭が行われた。私も義昌もそこで初めてを失った」


 なんか悲しく思える。だから心美先輩はあたしに同じ思いをしてほしくないってこういう機会を設けてくれたのかな。


「私も最初はショックだったけど今はもう諦めてる。義昌もそう。でも耐えきれない子もいる。それが私達のもう一人の幼馴染だった」


 もう一人の、幼馴染。


「彼女は女の私が言うのもおかしいけどすっごく可愛かった。日本人形が動いてるみたいに。それで祭の時、先輩達に何度も犯された。義昌は彼女の事が好きでね。壊れていく彼女を助けられなかった事を今でも悔いてる」


 義昌先輩にそんな過去があったんだ。


「亜紀子ちゃんの事も嫌いってわけではないと思う。ただここで亜紀子ちゃんを好きになってしまったら、また同じ思いをするかもしれないって思うと怖いんじゃないかな」


 だから……あたしをフッた。

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